職場の男女格差をなくすためにさまざまな取り組みが行われているが、現実には女性の昇進は停滞しがちだ。その理由として「女性にとって仕事と家庭の両立は困難だから」というもっともな理由で説明されることが多いが、実はもっと大きな問題──過重な労働を是とする文化──を覆い隠そうとする社会的・心理的防衛システムが働いているからだという。本書では、女性の昇進を阻み、役割を固定化するこのシステムについて論じ、過重労働が当然だとする組織文化の再考を促している。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2020年11月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。