たいした価値もない娘など無用。それが、上流社会の不文律だが――
病でもう長くない母を安心させるため、社交界にデビューしたボニー。田舎育ちで持参金もない彼女に、夫を選ぶという贅沢はできないので、最初に申し込んできた人と結婚するしかないことは覚悟していた。そんなある夜、ラドクリフ公爵とワルツを踊り、恋におちてしまう。公爵ほどの人が、地位も何もない娘に興味を持つはずがないのに……。恋心を戒めるものの、翌日の夜会でも気づけば彼の姿を捜していた。しかし、ラドクリフ公爵を見つけて胸を弾ませたのもつかのま、母の容体が危ういとの報せがもたらされ、ボニーは激しく動揺した。すると驚いたことに、公爵が馬車でボニーを実家まで送り届けると、病床の母にこう告げた! 「お嬢さんとの結婚を認めてください」
■シェリル・ボレンのデビュー作にして大ヒットを飛ばした名作を、待望のリバイバル! 富や名誉よりも愛を選んだ母に似て、本当は地位よりも愛のある結婚を望んでいたボニー。公爵が同情から求婚したとしか思えず、「愛している」と言われない日々に煩悶します。
*本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。