この結婚は愛ではなくビジネスのため。でも、彼へとさまよう心は止められない。
イタリアの二大ファッションブランドの合併を強固にするため、オリヴィアは相手企業の御曹司カルロとの結婚を受け入れた。だが、結婚式直前、カルロが別の女性と駆け落ちしてしまった。それを伝えに来たのはカルロの兄、アレッサンドロだ。ブランドを率いる冷徹な経営者で知られる彼は無造作に告げた。「式は予定どおり挙げる。ただし、花婿はカルロではなく僕だ」オリヴィアは静かにうなずいた――本当はひそかにアレッサンドロに惹かれていたから、恋心を悟られないように。彼にならって愛のない結婚に殉じよう――そう心に決めて。
■傲慢だけれど本当は優しさを内に秘めたイタリア人富豪ヒーローと、ピュアなヒロインの恋を描いて人気のアニー・ウエスト。今作では、愛なき結婚ゆえ、ヒーローへのひたむきな想いを打ち明けられないヒロインに思わず涙を誘われます。