世界的物理学者・高橋康先生の名著が待望の復刊! 実際の講義を下敷きに懇切に記述。初発的疑問に答えながら統計力学の基礎を築く。
■前野昌弘氏(琉球大学理学部「いろもの物理学者」)、絶賛!■
「初学者が悩むポイントを拾い上げてくれる!」
■本書「解説――柏太郎」より■
「本書は一筋縄ではいかない統計力学を、初めて学ぼうとする読者が内容ばかりでなく、初学者の立場をもしっかりと身につけることのできる最適の教科書である。近来の中心課題である相転移・臨界現象や非平衡への言及(および参考文献)は、それらへの理解が深まりはじめた頃の執筆であったため、なされていないが、今では多くのすばらしい文献がある。ここで学んだ知識をもとにすれば、読みこなすことは確実にできる。しっかり勉強してほしい」
■主な目次■
第0章 統計力学のあらすじ
第I章 気体分子運動論
§1. 気体の圧力および温度
§2. 熱平衡における分子の速度分布
§3. Maxwell分布の実験的裏付け
§4. 種々の物理量の平均値
§5. 一般の場合のBernoulliの式
§6. virial定理
第II章 統計力学の原理I(古典論)
§1. 巨視的状態と微視的状態
§2. 熱平衡状態と等重率の仮定
§3. 等重率の仮定をもとにした理論における計算規則
§4. 理想気体(古典論)
第III章 状態数の計算および数学的技巧
§1. 微視的状態の数および状態密度
§2. 最大項の方法
§3. 数学的技巧
§4. 等重率の仮定と温度
§5. 圧力と化学ポテンシャル
§6. 小正準理論の確率論的整備
第IV章 正準集合の理論と簡単な応用
§1. 小正準集合理論のまとめと展望
§2. 正準集合の理論
§3. 正準集合理論の例
§4. 2原子分子の正準集合
§5. 数表示と量子統計
§6. 相互作用のある粒子の系
第V章 大正準集合の理論
§1. はじめに
§2. 大正準集合の導入
§3. Bose-Einstein統計にしたがう粒子の系
§4. Fermi-Diracの統計にしたがう粒子の系
第VI章 統計力学の原理II
§1. 時間平均と集団平均
§2. 古典統計力学の困難と量子力学
§3. 平衡系の統計力学の公理的整理
第VII章 統計力学の応用
§1. はじめに
§2. 固体の比熱
§3. 最大項の方法
§4. 変分原理
§5. 摂動論の方法
§6. 反応がある過程の平衡
§7. 分布関数の方法