夢の一夜がもたらしたのは、
かけがえのない宝物。看護師のステイシーは、新任医師の顔を見て愕然とした。
忘れ得ぬ男性が――愛しい娘の父親ノアが目の前にいる。
3年前、ふたりは強烈に惹かれあい、めくるめく一夜を過ごした。
そしてステイシーは小さな命を授かり、独りで懸命に育ててきた。
ファーストネームしか知らない男性を見つけるすべはなかったのだ。
記憶と違わず魅惑的なノアに再び強く惹かれるステイシー。
娘のことを話す勇気が出ないまま、彼との距離は急速に近づいた。
しかし、ついに意を決して真実をノアに伝えると、
彼の顔からすべての表情が消えてなくなり、冷たい声が虚ろに響いた。
「予防措置はとっていた。あの頃、君は本当に独り身だったのか?」