今までずっと男性を拒んできた私が彼にはなすすべもなく翻弄されて……。
企業経営者の適性診断をするセラピストのサリーナは、その日、ヴェネツィアの名門貴族の邸宅を訪れた。主の世界的複合企業を率いる実業家マテオ・クーム――権力者らしく尊大で自信に満ちた彼は最も苦手なタイプのはず。なのに、にじむ威厳と色気に心は激しく乱れた。気づけばマテオに唇を奪われ、サリーナは陶然となった。その様子を録画されているとも知らず。やがてマテオは狼のようにほほえんで言い放った。「僕が何を要求するか――楽しむがいい」
■『修道院育ちの花嫁』で妹ピアの花婿となった王子を、妹を妊娠させたという理由で殴った兄マッテオ。今作ではそのカリスマ性で瞬時にヒロインを魅了、要求どおりの報告書を書けと迫ります。無垢な彼女は彼に身も心も捧げ、やがて思いもよらぬ妊娠をして……。