【書籍説明】
尾張の新興大名織田信長は天性の革命児だった。
常識破りの傭兵軍団を組織して、尾張を平定し、美濃を奪取した。破竹の勢いで勢力範囲を拡大した。
信長は天下一統して新しい世を拓こうとしていた。そのためには、足利将軍の権威を借りる必要がある。
信長は流浪の公方足利義昭に供奉して上洛し、義昭を足利幕府十五代将軍に就けた。
しかし、幕府再興を望む義昭と、天下一統を望む信長は、お互いの思惑の違いに気づき始めた。
織田家の武将木下秀吉は新規召抱の明智光秀に激しい競走心を抱き、功名を挙げようと必死だった。光秀を押し退けて京都守護となり、将軍義昭の機嫌を伺う。
そのうち、織田家の侍が次々と獣に喰い殺される事件が起きた。
化け猫の祟りという噂が立った。ついに公家にも犠牲者が出た。
正親町天皇は信長に助けを求めた。信長は濃姫と光秀に化け猫の詮議を命じた。
化け猫騒動の解決に奔走する中、信長と義昭の対立はしだいに激しくなる。
【目次】
本圀寺襲撃
雪中進撃
殿中御掟
京都守護職
自分勝手流
牙と鉤爪
古屋敷の妖姫
黒猫闇夜
阿胡女の方
妖猫退治
信長の裁断
将軍御教書
能興行
傀儡将軍… 以上まえがきより抜粋