本書・入門経済学を刊行するにあたっては、同じ原著者たちによる『ミクロ経済学』『マクロ経済学』から、経済学の基本となる概念を学ぶための15章をピックアップして再構成がなされました。
第I部は経済学一般に共通する基本知識です。
第II部はミクロ経済学の基礎にあたります。最先端の実験経済学の成果も取り入れた「新しい」経済学を学びます。
第III部はマクロ経済学の基礎です。金融危機以降に書き換えが迫られている経済学にも対応する「新しい」内容となっています。
本書を含む『アセモグル/レイブソン/リスト 経済学シリーズ』を原著者たちは以下のように位置づけています。
経済学の考え方はシンプルなものでありながら、世界の出来事を説明し、予測し、改善するうえでとても役に立つ。
それを知ってもらおうと思い、私たちは本書を執筆した。
――原著者「まえがき」
その目的を実現するために、テキストでは3つの原理と3種類のコラムが採用されました。
●人間行動を理解するうえでの経済学のアプローチの核心である3つの原理
「最適化」
「均衡」
「経験主義」
●現実社会の問題を直観的に理解することを目的とする3種類のコラム
「根拠に基づく経済学」(EBE)
「データは語る」
「選択の結果」
学生にとっても身近な「フェイスブック」が無料でサービスを提供している理由は何なのでしょうか? その背景を経済学で解き明かすことから本書はスタートします。
まさに「経済を理解するために経済学を学ぶことが優先」されたテキストです。無料で提供されているという「経済に起こった現象の原因と結果を解明」する経済学です。
本書の読後には、現実の経済社会に対する見方は違ったものになっていることでしょう。