【書籍説明】
新選組二番隊組長永倉新八は、市中巡察中、昔知っていた女に出逢った。
新八に足抜けの手伝いを頼んだ深川女郎お須賀だった。今は、老舗の後妻である。
新八は松山藩江戸留守居役の次男だが、厳格な父親に反発して家を出た。
天然理心流近藤道場試衛館の居候になり、剣技を研きながら暢気に暮らしていた。
お須賀は「足抜けして自由になりたい。そのために金が要る」と言う。
新八は試衛館塾頭の土方歳三と道場破りをして金を手に入れたが、女は金だけ持って恋人と駈落ちしてしまった。
その後、お須賀は恋人と別れて京に上り、奉公先の若旦那の後妻になった。
だが、姑の大内儀は評判の意地悪婆さんで、お須賀は辛い日々を送っていた。
その意地悪姑が殺された。町方役人は「下手人はお須賀」と考えた。
お須賀は新八に助けを求め、新八は新選組副長土方歳三に泣きついた。
歳三は隊務に追われて忙しい。最近、倒幕浪士に拳銃や銃を流す者がいて、活動が激化していた。
だが、新八に頼まれて、歳三は下手人探索に乗り出した。
【目次】
昔の女
道場破り
大暴れ
足抜け
後始末
いけず
姑殺し
沈黙の目撃者
親切ごかし
大裁ち鋏
どこかで見た顔
仕掛けた罠
古屋敷急襲
下手人… 以上まえがきより抜粋