多くの企業が熱波、洪水、干ばつなど、世界の気候変動リスクに対し、何らかの方策を取っているが、賢い企業は、CO2排出に関する規制の厳格化などにより、支払額も増えるという炭素リスクにも目を向けている。こうした企業は、自社のCO2排出の金銭的価値を算出して内部炭素価格を設定し、低炭素社会でも生き残る準備を進めている。ミシュラン、アルファベット、スイス・リーなど、さまざまな企業の事例を引きながら、内部炭素価格の設定について解説し、またこれが新規投資やリスク管理、長期戦略の意思決定にどう関わるかを論じる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2019年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。