あらすじ企業幹部の多くは、デジタル・トランスフォーメーション(DX)とは何かについて理解するのに苦労している。彼らの多くは、DXが既存ビジネスの根本的な崩壊をもたらすものであり、テクノロジーへの巨大な新規投資を伴うものととらえている。さらに、リアルを捨ててデジタルへ完全に移行し、そしてテック系スタートアップの買収を伴うものだと考えている。たしかに、そのようなパラダイムシフトが起こる場合もある。だが、筆者らの研究によれば、DXの本質は、組織に大混乱をもたらす破壊的(ディスラプティブ)なものではないという。実際は、より段階的なアプローチを使用することで成功している企業が多いからである。60社以上のインタビューを通して、DXにまつわるよくある誤解について明らかにする。 *『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2019年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。