「読者への挑戦状」ーー!!
しかし、それは誰がためのものなのか?
「これまで僕が書いてきたなかでも最大級に歪(いびつ)」ーー竹本健治
ミステリ界の金字塔『匣の中の失楽』『涙香迷宮』の鬼才が放つ最新作!
香華大学ミステリクラブの夏合宿で悲劇は起きた!
メンバーをモデルにした犯人当て小説「読んではいけない」の問題篇が披露された翌日、小説通りに湧き起こった濃霧のなかで、出題者は解決篇の原稿とともに消え去ってしまう。
偶然同じ施設に居あわせた「汎虚学研究会」の高校生たちも渦中に巻きこまれ、事件の謎に挑むことになるが、肝腎の探偵はやる気なく、誰彼なくおかしな夢を見るばかり――。
果たしてこの重構造の事件で問われているのは何か。そんな問いなどどこにもないのか。
ミステリ最大のタブーは快楽となり得るのか――
それともここにあるのは作家・竹本健治の終焉か!?