あらすじ異能の私小説家の知られざる名作ーー昭和24年、日本訪問中のロシア皇太子ニコラスへの暗殺未遂事件=大津事件に関わった愛国者たち……。津田三蔵、畠山勇子、明治天皇、児島惟謙らを軸に、歴史の変動の渦中にあつ人間を見つめた表題作、ほか7篇。戦後日本の転換点に直面した異能の私小説作家が、自己の文学的葛藤と追究の痕跡を刻印した、独自の私小説風世界の魅力が横溢する作品集。平林たい子文学賞受賞作品。 ※本書は、『愛国者たち』(1973年11月、講談社刊)を底本としました。