【書籍説明】
永禄十年(1567)八月、織田信長はついに稲葉山城を攻め落とし、美濃を平定した。
信長は稲葉山城を「岐阜城」と改称し、「天下布武」の意志を明らかにした。
天下一統のために、信長は足利義昭を奉じて上洛する決意をする。
足利義昭は有力大名の力を借りて将軍となり、室町幕府の再興を計っていた。越前の太守朝倉義景を頼ったが、義景は覇気に欠ける。
義昭は、明智光秀の仲介により織田信長を頼ることにした。光秀は信長の正室美濃御前の従兄である。
永禄十一年(1568)七月、義昭は越前を発って美濃に向かった。
しかし、朝倉義景は信長に将軍を奪われたようで、承服できなかった。南近江の六角承禎をはじめ信長に敵対する人々と手を組み、義昭が岐阜に到着した後、信長と義昭を暗殺しようとする。
その頃、美濃御前が前美濃国主斎藤竜興と内通しているという噂が流れ、信長は美濃御前を幽閉した。これを知った光秀は、美濃御前の潔白を証明しようとする。
信長は光秀の協力を得て、暗殺計画を阻止できるか?
美濃御前は潔白を証明できるか?
【目次】
美濃国奪取
蝮の遺言
流浪の公方
岐阜城
弓を引く者
般若
蝮の娘
陰謀の網
小谷城の客
公方様御成り
火の襲撃
裏切り者
観音寺城落城
二本の扇
… 以上まえがきより抜粋