【書籍説明】
新選組三番隊組長斎藤一の父は明石松平藩の下級武士だったが、事情があって上役を斬殺し脱藩した。
息子を連れて諸国を放浪し、江戸で病死した。斎藤の父を仇と狙う如月秀人は、名を偽って新選組に入隊した。
その頃、新選組には佐久間象山の息子三浦啓之助が父の仇討のために入隊し、隊中は仇討の話題でもちきりだった。どうやら伍長の倉田重郎も仇討らしい。
斎藤は苦い思いで眺めていたが、斬込みの最中に襲われて、自分が狙われていることを察知する。斎藤は土方歳三に打ち明けず、独りで敵を探そうとする。
京都西町奉行所与力杉本雄介は新選組を訪ねて来て、隊士の中に江戸を騒がせた盗賊一味だった男を発見する。杉本は江戸南町奉行所から出向していた。
杉本は隊士の名前を明らかにする前に、斬殺されてしまう。
歳三は杉本を殺害したのは新選組隊士ではないかと疑い、捜査を始める。
斎藤は如月秀人を探し出せるか?
歳三は杉本殺害の犯人を捕らえることができるか?
【目次】
不意討
恨みの連鎖
仇討志願
与力殺し
記憶の中の顔
斬込み
深まる疑惑
悲願と苦悩
隊費強奪
おしゃべり仲居
仇持ち
功名男
不審の究明
仇討地獄
… 以上まえがきより抜粋