たとえ順調なキャリアを歩んでいても、中年期には悩みや不安に襲われやすい。人生の満足度は若い頃は高いが40代に底を打ち、その後回復するという研究もあり、これは万国共通だという。筆者のキーラン・セティヤも夢見たキャリアを手にしているのに、陳腐な人生や過去の選ばなかった人生に対する後悔や喪失感、満たされない感覚に苦しめられるようになった。そこで彼は自分の専門分野である哲学の力を借りて、この気持ちに折り合いをつけた。人はなぜ後悔するのか、誤った選択をしたと感じた時どう考えるべきか。また満たされない感覚を解消するにはどうすればいいだろうか。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2019年9月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。