退場からが、人生だ。
「普通の人はいつ会社をやめるんやろ」。二千本安打達成目前に迫ったものの、衰えを隠せないスラッガーの宇恵康彦。肩たたきを迫る球団とファンからのプレッシャーを背負い、いざ勝負の打席に臨んだが――。球界に集う愛すべき面々が見つけた、退場の後の8つの人生。書下ろし短編「笑えない男」を新たに収録。
本書は、『去り際のアーチ』(徳間文庫)に書下ろし短編を加えた増補改訂版です。
<目次より>
・「塀際の魔術師」 お荷物になった四番打者
・「スイートアンドビター」 リストラ寸前の老解説者
・「カラスのさえずり」 四十路のウグイス嬢
・「永遠のジュニア」 気弱な二代目オーナー
・「トモ、任せたぞ!」 中間管理職コーチ
・「旅立ちのフダ」 半人前のダフ屋
・「笑えない男」 人望のない学生キャプテン
・「人生退場劇場」 四角四面な堅物審判