意意識とは何か。いつ、どのように生まれて、何のために存在するのか。
人や動物が生存していくための意識による具体的効果や、その機能とは――?
認知科学、神経科学的の最新成果により、昨今注目を浴びる「心の哲学」を、
あえて、事実性重視の現象学的立場から批判的に検証。
私が「私」を認めるために重要な、「経験する私」の意味、
私の意識の中で「淘汰」され、成長する意識の本質など、
進化論的な視座も踏まえ、「意識の実像」を捉え直す。
目次
第一部 「心の哲学」との対決
序 可能性の議論への違和感
第一章 意識は無用か
第二章 意識の有用性
第三章 心は物質に宿る──スーパーヴィニエンス──
第四章 運命を知りえぬことが、自由を私たちに残さないか
第五章 意識は瞬間ごとに死ぬ?──ひとつの懐疑──
第六章 意識とは誤解の産物である──消去主義の検討──
第七章 「物理世界は完結し、心の働きかけを許さない」と言えるのか
二部 意識は本当はどういうものか
第八章 意識の実像──ふたつの実存とふたつの視覚経路──
第九章 実践的意識が見る世界
結論