企業の官僚主義に対し、多くの人がその弊害に気づきながら、避けようのないものだと考えている。複雑な国際環境や規制環境を乗り切るためには取り入れざるをえない、と言う人もいる。この幅を利かせる官僚主義を打ち破る組織モデルが、世界最大の家電メーカー、ハイアールに登場した。CEOの張瑞敏(チャン・ルエミン)は官僚的体質を競争上の足かせと見なし、この10年で従業員が顧客にじかに責任を負って熱心な起業家のように振る舞い、ユーザー、発明者、事業パートナーで構成する開放的なエコシステムをつくり上げてきた。同社で「人単合一」と呼ばれるこの事業のやり方について、7つのポイントから論じる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2019年7月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。