亡くなったばかりの母の形見のアンティークの指輪。
その大事な指輪を、ルーシーの兄が何週か前になくしてしまった。
華やかなパーティの最中にも、思い出すだけで胸に痛みが走る。
いま、そんな彼女に熱い視線を這わせる大富豪ジャドがいた。
男の見つめ方はどこかほかの人とは違っている。何かが……。
席を立とうとした彼女は、ある女性を見て息をのんだ。
その指に鈍く光るのは母の指輪。女性はジャドの連れだった。
いてもたってもいられず、指輪を返してほしいと訴えると、
ジャドは、この指輪をはめて婚約してくれるなら、と甘く囁いた。
*本書は、ハーレクイン・デジタルから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。