【書籍説明】
高名な洋学者佐久間象山が暗殺された。
下手人は肥後浪士河上彦斎らしいが、不明である。象山の息子は三浦啓之助と名乗って、新選組に入隊した。
新選組で剣技を研きながら、仇を探そうというのである。
剣術師範頭の沖田総司は三浦の指南役を命じられて、困惑した。
総司は、すでに局長近藤勇の養子周平の特別指南も命じられている。
啓之助と周平、二人の名士の息子は自尊心ばかり高くて、剣技はさほどでない。
甘やかされて育った二人は我がまま勝手放題で、総司の手に負えない。同僚の隊士とも悶着を起こすばかりである。
その頃、京の街では女性ばかり殺される猟奇的な事件が連続して起きていた。
下手人の手がかりは全く掴めない。犠牲者の一人は、啓之助と周平が惚れて争っていた娘だった。
周平と啓之助が関わっているため、土方歳三は事件解明に乗り出した。
歳三は女性連続殺人事件を解決できるのか?
総司は二人の名士の息子に巧く対処できるのか?
【目次】
仇討志願
荒稽古
刀か腕か
美女殺し
恋の鞘当て
美人画
絵師
ももんじ売り
殺しの構図
師弟
事件の幕引
私闘
消えた大望
… 以上まえがきより抜粋