欧米を中心にフェイクニュースの弊害が熱心に議論されているが、日本も他人事ではない。災害時に不確かなニュースが生成・拡散されて被災者を不安に陥れたり、新興キュレーションメディアや伝統的マスメディアが虚偽情報を流布して社会に混乱を招いたりと、企業や個人に甚大な被害をもたらし始めている。フェイクニュースは、いかなる動機で生成されるのか。また、そうした不確かな情報はなぜ拡散されるのだろうか。本書では、SNSやクチコミなどネット言論の実証研究で注目を浴びる、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主任研究員/講師の山口真一氏が、豊富な学術研究と山口氏が実施した独自調査に基づき、この問題の本質を明らかにする。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2019年1月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。