戦前はひとり敢然と軍部を批判するなど壮絶な言論戦を展開。戦後は初のジャーナリスト出身総理となるも自らの信念に基づき僅か2ヶ月で退陣。その気骨あふれる生涯を描いた伝記文学の最高傑作。
――通勤電車の読書などで経済を独習し「日本のケインズ」といわれるまでになった自己改造の努力。日本が軍国化への道を進むなか、「小日本主義」を唱え、満州・朝鮮の放棄を主張した勇気。金解禁論争で世論に流されず、時の政権に堂々たる言論戦を挑み、時代を予見した識見。迫害を受けながらも、軍部を批判し言論活動を継続した使命感。そして戦後、総理大臣の地位に就きながらも、自らの信念にもとづき退陣した出処進退の見事さ。――日本ジャーナリズム史に燦然と輝く、巨人の思想と生涯をつづった渾身の伝記長編1100枚!