天使が舞い降りたあの夜を、わたしはずっと忘れない。
テディーは密かに産んだ息子をひとりで育てている。あるとき訪れたホテルで元夫のギリシア富豪アリストとでくわし、激しく動揺した。もう会わないはずだったのに、今ごろなぜ?じつは4年前の離婚の前夜、くすぶる最後の情熱を燃やすようにテディーはアリストと肌を重ね合わせ、妊娠したのだった。彼女の息子をひと目見るなりすべてを悟ったアリストは、子供には両親のいる家庭が必要だと主張し、再婚を迫るが、テディーの心は虚しく揺らいだ。彼がほしいのは息子だけ。わたしが今も彼を愛していることに気づきもしない……。
■『愛人記念日』『大富豪とうたかたの蜜月』と、ハーレクイン・ロマンスの王道作を次々にヒットさせている実力派作家ルイーズ・フラー。本作では人気のテーマ“シークレットベビー”を軸に、すれ違いで離れてしまった夫婦の再生ロマンスに挑戦しています。