あらすじレイチェルは逃げだしたかった。母の野心に押し切られ、もうすぐ老いた権力者との結婚式のベルが鳴らされるのだ。未練がましいとは知りながら、逡巡する彼女の前に現れたのは、魂まで覗きこむような、暗い目をした貴族オーランドだった。「君には勇気が欠けている」と断言されて、その言葉に背中を押されるようにレイチェルは式場から抜けだし、車をひた走らせた。オーランドの屋敷へ、彼のもとへと――月光射す、闇のなかでオーランドは静かに抱き締めてくれたが、やがてレイチェルは、彼が失明しかけているのを知る。 *本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。