ドラッカーは、未来をかたちづくるのは、起業家たちが生み出す構想であると言う。起業家的な小さなアイデアが新規事業の萌芽となり、それが将来のニーズに応え、未来が形成されていくのだ。しかし、概して大企業は、未来への投資に消極的であり、不確実性とリスクを嫌い、多くのアイデアを殺している。アイデアを支援する体制や価値観が失われると、イノベーションが生まれてこないばかりか、その果てには、組織の寿命も短くなっていく。未来を拓く構想にはリスクがつきものである。だからこそ、勇気、努力、信念が求められるのだ。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2018年9月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。