春の訪れとともに、アニーが営む小さなホテルにも客足が戻ってきた。飛行機事故で両親を失って以来、一人でがんばってきたが、事故直後2カ月間の記憶をアニーはどうしても取り戻せずにいた。シアトルのホテルに研修に行っていたはずなのだけれど……。あれから2年、今日は巨大ホテル・チェーンの経営者を迎える予定だ。休暇だというが、でも、こんな片田舎のホテルにどうして?フリン・パーカーは、歓迎の花を差し出すアニーを見て驚愕の表情を浮かべた。「いったいこの2年間、どこへ行ってた? 君は僕の妻なのに」私は結婚していたの? 教えて、私はあなたにどんなふうに愛されていたの?
■初対面のはずの長身のゴージャスな男性は夫だと名乗るが早いか、とまどうばかりのアニーに、怒りもあらわに詰め寄ってきて……。愛らしいヒロイン像で大人気を博したパトリシア・ノールの、記憶喪失がテーマの伝説的名作。消えた愛の時間は甦るのでしょうか?
*本書は、ハーレクイン・イマージュから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。