異国の小さな村で、ジュリアは看護師として慎ましく暮らしていた。かつての喧噪がまるで嘘のようだ。5年前、ジュリアは大病院で忙しく働きながら、恋人である優秀な外科医ネイサンとの結婚を目前にしていた。ところがジュリアの祖母が重病にかかり、彼女は悩んだ末に、さらなる飛躍を目指すネイサンの負担にならぬよう、真実を告げずに黙って彼のもとを去ったのだ。私の選択に間違いはなかったはず。強がるジュリアだったが、村で偶然彼の姿を見かけた瞬間、切ない想いがよみがえった。しかし、ネイサンはまるで人が変わったように彼女を責め……。
■名作家イヴォンヌ・ウィタルが1980年代に上梓したクラシックな恋物語です。真実の愛を求めるがゆえにすれ違う情念を描いたドラマティック・ロマンスをお楽しみください。