部下の教育や成長の促進は、能力開発研修や評価制度などの仕組みで行うものと、思い込んでいないだろうか。リーダー研究を重ねてきた筆者は、優れたリーダーと並のリーダーの違いは、日々折々に触れて部下の個別教育にいそしむかどうかにあると言う。いわゆるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)だが、そこで扱う内容は業務に役立つ知識・スキルから、ビジネス原則や処世術まで多岐にわたる。しかも、部下の心に深く刻み込まれ、後々まで教訓となることが多い。こうした教育は誰にでも可能だが、教えるべき内容やタイミングをわきまえ、個々人が受け入れやすい方法論を選ぶことがポイントになる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2018年6月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。