米トランプ政権は「米国ファースト」を掲げ、世界秩序の維持に関心を向けなくなった。一方、世界経済2位の大国である習近平国家主席の中国は、「一帯一路」構想や南シナ海・太平洋への海洋進出を進める。両超大国の指導者はともに「力の論理」の信奉者で、危うい駆け引きの中で国益を探っている。さらに、ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ、シリアから千島列島、北極海に至るまで米国に対抗する戦略を展開している。一見、さまざまなベクトルのように見える各国の動きも、「地政学」の視点から整理することで、混迷する国際関係を解き明かす。宮家邦彦、佐藤優両氏による地政学・誌上講座も必読。
本書は『週刊東洋経済』2018年3月3日号掲載の27ページ分を電子化したものです。