日本企業のグローバル化が急速に進展している。人口減少、国内経済の長期的な低成長等を考えれば、成長を目指す企業としては、円高を利用し成長が望める国への投資や企業買収を行うのは当然のことである。しかし最大の課題は、海外企業を買収した後、それをどのように軌道に乗せるかにある。真のグローバル企業を目指すのであれば、経営陣が英語でコミュニケーションができなければ、優秀な人材を引き止めておくことはできない。社員全員が英語を話す必要はないが、国際部門や海外子会社の経営部門に勤める者に高い英語能力は必須である。社内でコミュニケーションの壁があってはならないからだ。本書では、主にヨーロッパで国際金融機関、世界有数のコンサルティング・ファーム、国際機関等に勤務した筆者が、グローバル社会で求められる英語能力、コミュニケーション能力とは何かを提示する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2012年10月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。