ドナルド・トランプ米国大統領の就任や英国のEU離脱に象徴されるように、保護主義圧力が急激な高まりを見せており、多国籍企業を取り巻く環境は従来にも増して複雑化している。海外からの全面撤退を促す論調が加速したり、完全な現地化を推奨する議論も支持を集めたりする中、パンカジュ・ゲマワット教授はこうした極端な主張に依存することに警鐘を鳴らす。グローバル化が終焉を迎えることはない。ただし、これまでの前提の上に策定されたグローバル戦略の調整が求められていることも確かである。本書では、混乱を極めるいま、多国籍企業が国境を超えて成功を収めるための処方箋が示される。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2017年10月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。