3年ぶりのフレイアは変わらず美しく、エンリコは心を乱された。かつてフレイアは、大企業の社長であるエンリコのもとで働き、彼の豪邸に住み、彼のベッドで眠った。だが全ては偽りだった。あの日、出張から帰ったエンリコが見たのは、彼のベッドで、半裸のフレイアに覆いかぶさるいとこの姿。屈辱の光景がいまも脳裏に焼きついて、怒りに胸がたぎる。優しい美貌の裏に、人をも欺く心が潜んでいたとは……。ふと、エンリコは彼女の側に小さな男の子がいるのに気づいた。彼は我が目を疑った。あれは僕の子か? それともいとこの――
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。