【書籍説明】
六歳で父を殺され、その仇である坂上主膳を討ち果たす宿命を背負うことになった浅野民治丸、
長じて後に林崎甚助重信と名乗ることになるこの少年は、その小柄な体格を不利とせず逆に武器に変えるため激しい武術修行に明け暮れる。
やがて林崎明神より「鞘の内で決めよ」との神託を得て、必殺の秘太刀「居合抜き」を発想した
甚助は、弱冠二十歳にして遂に坂上主膳を討ち本懐を遂げるも、この時からが決して逃れることのできない「武者修行地獄」の始まりだった。
日毎に大きくなり、彼の知らないところで一人歩きする「居合遣い・林崎甚助」の名声や噂。それのみならず時を経て明らかになる、
両親と坂上主膳から主君・最上豊前守までつながる因縁。更には甚助自身の出生にまつわる「悪い噂」が、彼に深い苦悩をもたらすことになるのだった。
「居合術の始祖」として後の世に知られることとなる「不世出の剣聖」は、果たして何を求め何に迷い、生涯かけて何を目指したのか?
自ら居合道を嗜む著者が、武芸者の視点からその謎に迫る、著者初の小説にして歴史小説。剣豪ファン、武術ファン必見。
【目次】
第1章 発端
第2章 開眼
第3章 探索
第4章 血煙
第5章 半蔵
第6章 主膳
第7章 真相
第8章 深慮
第9章 対面
第10章 本懐
第11章 贖罪
第12章 菅野
第13章 偽物
第14章 相談
第15章 暇乞
【著者紹介】
鈴木天斗(スズキタカト)
1974年 宮城県生まれ。
元々高校時代から作家志望だっ… 以上まえがきより抜粋