◆小さな宿を営むジェニファーは、人工授精で子供を産む条件で余命幾ばくもない年配の資産家セバスチャンと便宜結婚した。後継者が欲しいのに病気でそれが叶わない彼と、結婚はあきらめていても子供の欲しい彼女にとって、都合がよかったから。ただ……その精子提供者が問題だった。やがてセバスチャンが亡くなり、まもなく彼の息子レイフが現れた。長身で、父と同じく億万長者の彼の言葉にジェニファーは震え上がる。「君のおなかの子供の父親が僕だってことは、知っているんだ」彼が精子提供者だということは、秘密のはずだったのに……。レイフはなんのためにやってきたの? まさか、私の子供を奪いに?■〈ロマンス・タイムマシン〉と題してその年の名作をお贈りする企画、1999年は、ハーレクインの黎明期に大人気を博したベテラン作家、スーザン・ネーピア。代理母という先駆的なテーマにロマンチックなエピソードをちりばめた逸作です。