◆領主の姫君が、男爵の召使いに!父の死を境に一転した乙女の運命――◆ガブリエラはドゲール男爵一行の到着を待っていた。伯爵である父はひと月前に亡くなり、彼女には借金だけが残された。城と領地は没収され、今日ドゲール男爵に明け渡すことになっている。でも、消息不明でまだ父の死も知らない兄が戻るまで、わたしはなんとしてもこの城に残りたい。一縷の望みを胸に、彼女はやがて到着した男爵に願いを伝えた。すると、噂にたがわず冷酷な彼は、情け容赦なく言い放った。「ここを出ていくか、召使いとして城に残るかだ!」あまりのことに色を失うが、行くあても金もないガブリエラは、悲痛な思いで召使いになる道を選んだ……。■ヒストリカルの大御所マーガレット・ムーアの名作! “悪魔の申し子”の異名をとる傲慢男爵と、父が遺した城を守りたいと願うけなげな乙女の物語。愛情表現を知らない男爵に振り回され傷つくヒロインの運命やいかに?