破壊的イノベーションが登場した時に、市場が完全に新技術に置き換わるのか、旧技術も何らかの形で残るのかは定かでない。どのくらいの速さでイノベーションが市場に浸透するかも未知数である。この不確実性の高い移行期をどう乗り切るかは、既存企業にとって死活問題となる。時間を稼ぎながら、新技術を習得し、必要なケイパビリティを揃えて、今後の方向性を見極めなくてはならない。そのツールとして有効なのが新旧技術を掛け合わせたハイブリッド戦略であり、状況に合わせて使い分けることがポイントになると筆者らは説く。本書では、7種類のハイブリッドと4ステップのハイブリッド戦略を解説し、いかに破壊的イノベーションに対抗すればよいかを考察する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2017年5月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。