消費者は、製品やサービスの何に価値を見出すか。人によりまちまちで、複雑な心理が絡み、突き止めるのは容易でない。それでも、価値の土台を成す普遍的な要素というものは存在する。消費者にとっての価値を綿密に探る手法があれば、既存市場での業績向上や新規市場への参入の機会をもたらし、価値の新しい組み合わせを考案できる。筆者らは1万人以上の消費者分析により、30に上る「価値要素」、すなわち製品やサービスの最も根本的な個別属性を探り出した。これらの価値要素に着目すると、「価値とは不可解でとらえどころのないもの」という印象がかなりの程度まで払拭され、創意工夫によってブランド、製品、サービスの価値を高め、ひいては価値の真の判断者である消費者を味方につけて、有利な立場を手にすることができる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2017年3月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。