あらすじ◆空港で、ローレルは癒えない心の傷を抱えたまま立ち尽くした。滑走路に乗りつけた車から降りてくる、長身の男性に目をこらす。クリスチアーノ。見るだけで胸が締めつけられる夫の姿がある。子どもを流産したとき、夫は連絡さえくれなかった。大会社を背負っているとはいえ、初めての子どもだったのに――冷たいクリスチアーノに耐えきれず、ローレルは家を出たのだ。いま、2年の別居の末に、離婚をするため戻ってきたローレルを、彼は何事もなかったかのように見つめ、掠れた声で囁いた。「今晩は君のホテルに泊まる」