【書籍説明】
日本における武士の時代は1168年から1868年までのちょうど700年です。
武士は実際家ですから基本的には煩雑な儀式を嫌います。
儀式にこだわるのは公家化したときだけです。
武士がつくった集団は簡素でプラグマティックです。現代に応用できるところがいっぱいあります。
武家政権は大きくわけて東の政権と西の政権があります。
東は鎌倉幕府、江戸幕府で、西の政権は平家政権、室町幕府、豊臣政権です(地域政権はここでは割愛します)。
東の政権は全国統治を目指したのに対し、西の政権は東国を直接統治から外します。
そして西を向いて貿易と流通に力を入れるのです。
雅びと欲、そして儚さに終始したのが西の政権でした。
黄金に輝く美しい文化を花火のように打ち上げて周囲を照らしたその影で、地方はどんどん疲弊します。
本書で語られるのは、黄金と私欲と儚さに生きた西の政権のお話です。
第2章から第4章にきらびやかな西の政権を述べています。
第1章は総論、第5章はビジネスにも役立つ東国の政治家二人のお話です。どこから入ってもいいです。
興味あるところから目を通してみてください。新鮮な知見が最低2個は見つかるでしょう。では、どうぞ。
【目次】
第1章武士の時代とは
武家政権の誕生
武家政権の展開と近世の扉
第2章平清盛の福原幕府
伊勢平氏
保元の乱と柔弱謙下
日本三景宮島と貿易の実利
後継の不在
福原幕府の地政学
第3章理念なき室町幕府
武士のための政権
貿易と流通の政権
私利私欲の政権
第4章豊臣政権とお金の器
尾張の流通… 以上まえがきより抜粋