かつて5社で利益の90%以上を稼いでいた携帯電話市場が、iPhoneの登場によりアップルだけで利益の92%を占める市場へと変貌した。この怒涛の躍進は、iPhoneの製品力のみならず、App Storeというプラットフォームの力に負うところが大きい。もはや閉じたパイプライン型の事業は成長の余地が少なく、参加者の利益が高まるプラットフォームの構築こそ競争優位となりうる。この戦略におけるカギは、ネットワーク効果の威力を理解することであり、それにより戦略の新たなルールが明らかとなる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2016年10月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。