◆あの夜、授かった宝物のことは彼には言えない……。◆会議室に入ったキャリは、窓際に立つ男性を見て胸の高鳴りを抑えた。一夜の情熱を交わした億万長者、デック。最後に会ってから1年半が経つ。彼に抱かれたときの記憶そのままの広い両肩と、引きしまった腰。甘い欲望が震えとなってキャリの体を駆け抜ける。だめよ。よけいなことを考えてはだめ。仕事に集中しなければ。「キャリ、うれしい驚きだ。今夜、夕食を一緒にどうかな?」欲望を秘めたまなざしで彼に誘われ、唇を奪われて、体の奥に火がついた。でもあの朝、ホテルの部屋に私を残して消えた彼をどうして許せるだろう?それに、彼女にはデックに隠している秘密があった。どう打ち明ければいいの? あの夜、赤ちゃんを授かったことを……。■どんな女性にも執着しない冷酷なプレイボーイと一夜の恋におち、妊娠してしまったヒロイン。ひそかに彼の子を産み育てていたある日、思いがけず彼と再会して……。うっとりするような情熱的な愛の描写を得意とする、キャサリン・ガーベラの作品です。