事業環境はかつてないほど多様化し、ダイナミックな変化を続けている。こうした変化に多くの企業はうまく対応できているのだろうか。こうした疑問から3万社超の米国企業を調査したところ、企業の短命化が進んでいることが判明した。上場企業が今後5年以内に上場廃止になる確率は3社に1社であるという。本書の筆者たちは、企業が長く存続するための知見を「複雑適応系」に求めた。「局地的な相互作用」「創発」「フィードバック」のサイクルを繰り返して進化を続ける複雑適応系の原則は、自然界においてもビジネス界においても生命力を強化するものである。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2016年6月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。