不正会計やデータ改ざんなど企業の不祥事が世間を騒がすたびに、コーポレートガバナンスのあり方が問われる。短期的な業績達成へのプレッシャーにさらされ、長期的な価値創造に取り組めずにいる上場企業も多い。マッキンゼー・アンド・カンパニーが2013年に実施した調査からも、自社の戦略や価値創造、業界動向を十分に理解できていない取締役たちの実態が浮かび上がってきた。その解決には、本来の使命と義務を果たしていない取締役会を改革することが不可欠だと、筆者たちは説く。本書では、その改革において特にカギとなる4点、すなわち、適切な人選、時間のかけ方、長期投資家との対話、役員報酬について論じる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2016年5月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。