最先端の調査研究や他社の輝かしい成功事例を聞きつけると、手当たり次第に導入したくなる「シャイニー・オブジェクト症候群」に、あなたの会社の人事部は陥っていないだろうか。さして効果も出ない新しい概念に振り回されないためには、自社の抱える課題の解決につながるかどうかを冷静に見極めなくてはならない。本書で紹介するジュニパーネットワークスは、各企業も取り入れていた人事評価制度をいち早く撤廃して、脳科学の知見を踏まえた制度につくり替えるなど、大胆な人事施策を打っているが、そこには解決策ではなく問題をしっかり見るというマインドセットがあった。新しい概念を導入する際に留意すべき心得とその4段階のプロセスを紹介する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2015年12月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。