日本の格差の有り様と原因に独自の角度から光を当て、「必要原理」にもとづく大胆な財政戦略を提唱する井手英策教授が、若い人たちのためにデータを駆使して訴えるまったく新しい啓蒙書。
【主な内容】
1 「格差是正」に心が動かない僕たち
■格差を是正したいですか?
■税への抵抗が強い社会は、誰かのための負担をきらう「つめたい社会」
■貧困にあえぐ人びとを「見て見ぬふりする社会」を僕たちは生きている
2 日本人の不安の根っこにせまる
「3つの罠」、そして「分断社会」
■社会全体を覆っている「弱者へのつめたいまなざし」
■中間層が貧しくなり、弱者へのやさしさが失われた
■「自己責任社会」では、「成長の行きづまり」が「生活の行きづまり」になる
3 分断社会・日本
「失われた20年」、何がいけなかったのか?
■分断社会・日本
■池田勇人首相の思想――自分で働き、自分の足で立つことこそが重要
■小さな政府、貧弱な社会サービスこそ、高い貯蓄率を生んだ大きな原因
4 中高所得層も納得して格差是正ができる「必要の政治」とは?
■「救いの手」は救済であると同時に、確実に、そして深く、人間を傷つける
■人間を信じられず、成長できない社会を望みますか?
■発想の大転換、思い切って中高所得層も受益者にする
5 人間の違いではなく、人間の共通性に想いをはせてみませんか?
■「必要の政治」は「お金なんかで
人間を評価しない」という哲学
■「必要の政治」とは、受益感を高めながら租税抵抗を緩和するという戦略
■「バラマキだ!」と批判し思考を停止させる、そんな政治を終わらせる