「集合天才」とは一人の天才の出現に頼らず、組織のメンバーの才能を集めることでよい結果を出そうという考え方だ。いまイノベーションを継続的に生み出せる革新的な組織に求められているのは、こうした集合天才を創造できるリーダーである。そのリーダーシップに求められるのは、ビジョンを示しそれに向けてメンバーを鼓舞する従来のリーダーとはまったく異なり、イノベーションが起こる舞台の設定役としての役割だ。筆者たちは、世界のさまざまな企業でイノベーションリーダーを研究し、新たなタイプのリーダーがなすべき仕事と求められる能力について、グーグルとフォルクスワーゲンの事例を引きながら論じる。*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2015年05月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。