マネジャーになると役割に応じた権限が与えられる。しかし、人を動かすために権限だけでは十分とはいえない。与えられた権限が同じでも人に与える影響力に違いが出るのは、権力の違いからである。つまり権限と権力は別物である。本書は、優れたマネジャーはどのように権力を身につけ、これをどのように行使して影響力を発揮しているのかを、26組織250人の管理職へのインタビュー調査から明らかにするものである。発表されたのは1977年であり、マネジャーの権力行使のメカニズムを分析した古典的名著といわれる。筆者は、リーダーシップ論の第一人者であるジョン・コッター。人を動かす力の原則とは、30年以上経ても大きく変わらないものであることを認識させられる。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2014年01月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。