本特集で取り上げたブルー・オーシャンは、苛烈な競争から抜け出し、未知の市場を創造することを提唱した経営戦略論だが、筆者のW.チャン・キムとレネ・モボルニュは、このブルー・オーシャンの概念と枠組みを応用して、リーダーシップ開発の手法を編み出した。筆者たちはリーダーシップを組織のメンバーへのサービスと考え、上司や部下はリーダーの「顧客」と見なす。「顧客」がリーダーの価値を認め、リーダーシップを受け入れるなら、その能力や熱意も引き出されるのではないか、これはブルー・オーシャンの発想につながるというのである。徹底的に行動ベースでリーダーを変えていくこの手法を、ある小売企業の事例をもとに解説する。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2015年10月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。