◆『旅路の果てに』―
マリアンは赤ん坊を抱えながら、ようやくのことで亡くなった夫の生まれ故郷の
町にたどり着いた。この町に来たのは、臨終の際に夫と交わした約束を果たすた
めだ。寒風の吹きつけるなか、マリアンはある屋敷を訪ね、その主人ヘイウッド
に家政婦として雇ってくれるよう頼んだ。
『愛に救われて』―
両親を亡くしたコニーは工場での重労働に耐え、切りつめた生活を送っていた。
妹と弟四人を養っていくために。だが過労がたたって、仕事帰りに気を失い、雪
のなかで倒れてしまう。彼女は偶然通りかかった農場主ルークに助けられ、弟妹
と一緒に彼の農場で暮らすことになった。
『診療所の天使』―
ロンドンの貧しい人々が暮らす地区にある診療所でティリーは助手を務めている。
ある日、診療所の老医師が病に倒れ、その甥で医師のハリーが急遽、代役を務め
ることになった。しかしティリーは上流階級育ちのハリーのよそよそしい態度と
診療の方法にいらだちと反発を覚える。
『大尉の花嫁』―
アビゲイルは一人ではるばるナポリまでやってきた。英国大使の所有する古美術
品のコレクションを、目録を作ったうえで祖国まで無事に輸送するためだ。彼女
は大使館の晩餐会で海軍大尉ジェームズと出会い、ひと目で惹かれる。ところが
フランス軍の攻撃がナポリに迫り……。
*本書に収録されている「旅路の果てに」は、既に配信されている作品と同作品となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。